特に初心者の人は、株を始める前に「株式投資のメリット、デメリット」を知りたいかと思います。
株式投資とは、資金調達をするために企業が発行する株式を売買することです。
この株式は、証券会社を通じて一般の人も売買することができます。また、株を保有することで、株主はいくつかの権利を得ることも可能です。
ここで、株式投資には多くのメリットがある一方、少なからずデメリットも存在します。つまり、やり方を間違えてしまうと、儲けるどころか株で大きな損をして失敗してしまうかもしれません。
そうならないために、株の始め方や注意点を把握しておきたい人も多いはずです。
そこでこのページでは、株初心者のために「株式投資のメリット、デメリット、株の始め方や注意点」についてお伝えします。
目次
株(株式)とはなにか? 株の仕組みとは?
株式投資のメリット、デメリットをお伝えする前に、そもそも株とは何かを簡単にお伝えします。
株(株式)とは、資金調達をするために株式会社が発行するものです。株式を発行することで、企業は多くの株主から資金を集められ、事業に役立てることができます。
また、会社の株を買うことで、株主は、出したお金の比率に応じて会社の経営に関与することができます。
例えば、株主総会に参加をして、議案に対して賛成か反対かを伝えることができます。その他にも、株主は配当金がもらえたり、株主優待がもらえたりします。
以下、株をやるメリットを詳しく見ていきましょう。
株式投資のメリット
管理人は、株を始めるメリットは大きく7つあると考えています。
1.株価の値上がり益(キャピタルゲイン)が得られる
株式投資で利益を得る主な方法として、株価の値上がり益があります。株価の値上がり益のことを、専門用語でキャピタルゲインと呼んだりします。
例えば、30万円の株式を買付け、3ヶ月後に33万円で売却をすれば、3万円のキャピタルゲインを得ることができます。
ここで、日本の法律では、キャピタルゲインに対して約20%の課税がされますので、実際にはその分を差し引いた金額が手元にくることになります。
このように、株式投資で利益を得る代表的な方法として、株価の値上がり益があります。株で利益を得る場合、このキャピタルゲインが大きな収益源となります。
2.配当金(インカムゲイン)が得られる
会社の株を保有していると、配当金として、稼いだ利益の一部をもらうことができます。
この配当金は、3月に株を保有しているともらえることが多いです。
なぜなら、3月に決算を迎える会社が多く、このときに株主に利益の一部を配当金として還元するためです。また、9月に中間配当として、配当金を出す企業もあります。
ここで、配当金を出す月は、企業によって異なりますので時期の確認が必要です。
このとき注意点ですが、企業が配当金を出した後の株価は下がることが多いです。
なぜなら、企業から株主に利益が還元されると言うことは、資金が外部に流出していることになるからです。
つまり、配当金として株主に還元した分、会社の価値が下がることになります。配当後に株価が落ちることを専門用語で「配当落ち(権利落ち)」と言います。
このように、配当金をもらえたときは得をしているように感じます。しかし、このとき株価も下落していますので、直後の損得はゼロになります。
しかし、株を中長期で保有している人であれば、時間が経つと株価が上がりますので配当金の恩恵を受けられます。
具体的には、日本企業の配当利回りは2~3%前後になることが多いですので、年間で2~3%前後の投資リターンも期待できるのです。
3.株主優待が得られる
株主優待とは、条件を満たした株主に対して、企業が感謝の意味を込めてモノやサービス券を贈ることを言います。
株主優待には、自社商品の詰め合わせ、割引きチケット、食事券、お米、金券(クオカード、商品券、図書カードなど)などがあり、企業によって優待内容が異なります。
ここで、株主優待はすべての企業が実施しているわけではありませんが、個人投資家に人気があるため、多くの企業が優待を出すようにしています。
管理人も、株主優待を楽しみに株式投資をしています。
株主優待について興味がある場合、当サイト内の「株初心者でも簡単! 株主優待生活のおすすめ」に詳しく書いていますので、良ければ参考にしてください。
4.貸株で金利が得られる
貸株とは、保有している株を証券会社に貸し出すことです。貸株をすると、年間0.5%前後の金利を受け取ることができます。
これは、銀行預金をした場合の金利より有利と言えます。なぜなら、銀行預金では0.1%以下の金利になるときが多いからです。
また、株が値上がりした場合、自分の名義に戻して株を売却をすれば、キャピタルゲインを得ることもできます。
初心者の人には、少し難しい内容かもしれませんが、貸株をすることで金利を受け取ることもできるのです。
5.株主総会に参加できる
株主総会では、会社の基本的な方針や重要な事項を決定します。
条件を満たした株主であれば、この会議に参加をすることができます。また、株主総会に参加をすることで、自社製品やその割引券、お菓子、金券などのお土産をもらえることもあります。
ここで、3月決算の企業が多いため、株主総会は6月に開催されることが多いです。ただし、平日に行われることがほとんどなので、会社員の方だと総会に参加をすることが難しいかもしれません。
しかし、経営者の生の声が聞けるため、管理人も一度は参加してみたいと考えています。
6.株式保有がインフレ対策になる
株は、インフレに強い金融商品と言われています。
インフレ(インフレーション)とは、お金の価値が下がり、物価が上昇することです。
例えば、今まで1万円で買えていたものが1万200円を出さなければ買えないとすると、「2%のインフレが起きた」と言います。
つまり、インフレとは、お金の価値が下がってしまうので、余分にお金を出さなければモノが買えなくなってしまうことです。
一方、このインフレが起きるときには、中長期的に株価の上昇が見込めます。なぜなら、企業も商品の値上げをするため、利益が増えて企業価値が上がるからです。
そのため、インフレが起きた場合、預金(現金)だけを保有しているより、株を保有している方がお金の価値が下がるのを防ぐことができます。
このような理由から、株はインフレに強い金融商品なのです。
7.お金についての勉強ができる
株式投資を始めることで、お金について勉強ができると考えています。
正直、「お金の問題」は、一生付きまとうことです。とても重要なことなのですが、日本の学校教育では、「お金の勉強」をする機会がありません。
管理人は、幸運にも大学と大学院でファイナンスや投資理論を学ぶ機会があったため、少しは金融や投資について理解することができました。
しかし、実際に株式投資を始めるまでは知らないことも多く、株主になってから新しく気づいたことも多いのです。
例えば、株主優待では、多くの企業が自社のアピールも含めて独自の優待内容を考えています。このような具体的なことは、大学院であっても学ぶ機会はありませんでした。
別の例を挙げると、IPO(新規公開株)でどのような銘柄が高い初値を付けるかを具体的には知りませんでした。
しかし、自分のお金でIPO投資をしてきたため、今では「どのような銘柄を買えば儲けることができるのか?」をある程度は分かるようになりました。
IPO(新規公開株)投資とは、証券会社からIPOを抽選で取得して、初値がついたらすぐに売る方法です。
このように、実際に株式投資を始めたことで学んだことはたくさんあり、以前よりお金について理解が深まったのではないかと思います。
株式投資のデメリット
私は、株を始めるデメリットは大きく2つあると考えています。
1.株価の値下がり損(キャピタルロス)を被る
キャピタルゲインの反対で、株価が値下がりしたときには、キャピタルロスを被ります。株で失敗する大きな理由は、このキャピタルロスを被ることだと言えます。
つまり、大儲けしようと考えて大金を投資してしまうと、その分、大損するリスクも高くなってしまうのです。
逆に、投資金額が小さければ、あまり儲けることはできないかもしれませんが、損をしてしまってもそこまで痛くはないと言えます。
このように考えると、特に株に不慣れな初心者は、大儲けしようとせず、少額から投資をする方がよいでしょう。
2.株式投資には、リスクがある
株式投資には、他にもリスクがあることを覚えておいてください。具体的のリスクは、次の3つが挙げられます。
①価格変動リスク
価格変動リスクとは、平たく言うと、株価が上下することです。
一般的に、株を買ったときより高い値がついて売れば、儲けることができます。しかし、同様に、株を買って株価が下がると、損をしてしまうのです。
このように、価格変動リスクは、株式投資で最もよく起きるリスクだと言えます。
②流動性リスク
流動性リスクとは、株を売りたい人と買いたい人のバランスが崩れ、自由に株を売買できなくなることです。
例えば、企業に不祥事があって、株を売りたい人が極端に多く、株を買いたい人が極端に少ないとき、取引が成立しないこともあります。
このような状況になると、株を買ったときよりずっと安い金額で株を売らなければならず、大きな損をしてしまうこともあります。
あまり起きることではありませんが、株式投資には、このような流動性リスクがあるのです。
③信用リスク
信用リスクとは、わかりやすく言うと、会社が倒産したときに持っていた株が無価値になる可能性です。
めったに起きることではありませんが、会社が経営破たんに追い込まれると、株価が1円とかになります。つまり、投資資金をすべて失うリスクもゼロではないのです。
このように、可能性はとても低いですが、株式投資には信用リスクもあるのです。
株をやるときの注意点
特に初心者が株でうまくいくために、管理人は次の4つが重要であると考えています。
1.株式投資は余剰資金でやるべき
先ほどお伝えしたように、株式投資では、儲かることもありますが損をすることもあります。
そのため、日々の生活で使う資金を使って投資をすべきではなく、余剰資金で株を行うべきです。
そうでないと、株で儲かったときは良いですが、損をしたときに生活が苦しくなってしまいますから。
2.株は少額投資から始めるべき
特に初心者の方であれば、少額から株式投資を行うことをオススメします。
なぜなら、いきなり100万円するような株を買ってしまうと、損得の金額も大きくなってしまい、冷静な判断ができなくなってしまいがちです。
そのため、例えば、10万円以下で買える株を買って、少しずつ株の経験を積むのが良いかと思います。
このように少額投資から株を初めて、株式投資に慣れていきましょう。
3.できるだけ分散投資をしよう
株式投資をするとき、複数の会社の株を買う「分散投資」をおすすめします。
なぜなら、1種類の株しか買わないと、どうしても利益の変動を受けやすくなります。
このとき、複数の会社の株を買うことで、利益の変動を受けにくくなります。
例えば、A株で3万円の損をしたとしても、B株で5万円儲かっていれば、合計2万円の利益を得ることができます。
もし、B社の株だけを持っていれば、5万円を儲けられたかもしれません。しかし、A社の株だけを持っていた場合、3万円の損をしていたことになります。
このように考えると、複数の銘柄を買うことで、利益の変動をある程度抑えることができます。
ここで、複数の会社の株を買うとき、業界を分けたりすると、さらに分散効果が高くなります。
もし、1つの業界だけで複数の銘柄を買っても、業界不振のときは、複数の銘柄で損をする可能性が高くなってしまいます。
逆に、業界が好調なときは、複数の銘柄で儲けることができますが、分散効果は薄いと言えるでしょう。
そのため、複数の業界で複数の会社の株を持つことが、分散投資では重要となります。
4.株を買う前に、株を売るタイミングを決めておこう
株式投資をしていると、自分が予想したとおりに株価が動かないこともあります。
そのため、株を買う前に株を売るタイミングを決めておくことをおすすめします。
なぜなら、例えば、予想より株価が上がったときに、欲が出てしまって売り時を逃してしまいがちです。利益を確保するためにも、株は売るタイミングが重要です。
逆に、株価が下がっていったときに、早めに「損切り」をしないと、どんどん損失額が大きくなってしまいます。損切とは、最小限の損にするために、値下がりしている株価を売ってしまうことです。
このように、株式投資で失敗しないために、株を売買するタイミングを事前に決めておきましょう。
株の始め方
ここからは、株の始め方をお伝えします。
1.証券口座の開設
株を売買するためには、証券会社を通す必要があります。そのため、株をやるためには、まず証券口座の開設が必要です。
おすすめは、売買手数料の安いネット証券です。どこのネット証券が良いかは、良ければ以下のランキング表を参考にしてください。
初心者におすすめのネット証券比較(管理人開設済み)
証券会社名 | 株の売買手数料 | 取引ツール・情報 | 商品数 | 総合評価 | 口座の特徴 |
SBI証券 | ★★★★★4.7 | ★★★★★4.8 | とても多い | S | 評判 |
楽天証券 | ★★★★★4.7 | ★★★★★4.7 | とても多い | S | 評判 |
マネックス証券 | ★★★★☆4.2 | ★★★★★4.6 | とても多い | S | 評判 |
松井証券 | ★★★★☆4.1 | ★★★★★4.6 | 普通 | A | 評判 |
カブドットコム証券 | ★★★★☆4.2 | ★★★★☆4.4 | とても多い | A | 評判 |
岡三オンライン証券 | ★★★★☆4.3 | ★★★★☆4.2 | 少ない | B | 評判 |
GMOクリック証券 | ★★★★★4.8 | ★★★★☆3.6 | 多い | B | 評判 |
立花証券 | ★★★★☆4.4 | ★★★★☆3.9 | 少ない | B | 評判 |
ライブスター証券 | ★★★★★4.9 | ★★★☆☆3.3 | 普通 | C | 評判 |
むさし証券 | ★★★★★4.9 | ★★★☆☆3.2 | 普通 | C | 評判 |
DMM.com証券 | ★★★★★4.9 | ★★★☆☆3.1 | 普通 | C | 評判 |
表の証券会社は、管理人が開設済みの証券会社です。
株の売買手数料、取引ツール・情報、商品数の評価は、管理人の調査や体験談に基づいて点数をつけています。
気になった証券会社の口座の特徴「評判」をクリックして頂ければ、「証券会社の評判や口座開設の手順(画像付き)と注意点を解説したページ」に移動できます。
2.ネット証券などから株の情報収集をする
証券口座を開設しても、すぐには株の取引をすることは難しいはずです。
なぜなら、買うべき株や取引のやり方が分からないと思うからです。そこで、ネット、書籍、ネット証券などから株の情報収集をしてください。
特に、ネット証券では、ログイン後のページやメールなどから多くの情報を得ることができます。
例えば、上の画像は、SBI証券から「8月の株主優待」についての案内メールです。
管理人は、株主優待に興味がありますので、優待についての情報をもらえるのはとても助かっています。
このように、証券口座を作ると、証券会社から株についての情報が多くもらえますので、株を始めるときに役立つかと思います。
また、証券口座を作ると、株取引のやり方を見ることができますので、本番前に内容を理解しておきましょう。
まとめ
このページでは、株初心者のために「株式投資のメリット、デメリット、株の始め方や注意点」についてお伝えしました。もう一度おさらいをしますと、以下のとおりです。
株のメリット
1.株価の値上がり益(キャピタルゲイン)が得られる
2.配当金(インカムゲイン)が得られる
3.株主優待が得られる
4.貸株で金利が得られる
5.株主総会に参加できる
6.株式保有がインフレ対策になる
7.金融リテラシーの向上
株のデメリット
1.株価の値下がり損(キャピタルロス)を被る
2.株式投資には、リスクがある
株をやるときの注意点
1.株式投資は余剰資金でやるべき
2.株は少額投資から始めるべき
3.できるだけ分散投資をしよう
4.株を買う前に、株を売るタイミングを決めておこう
株の始め方
1.証券口座の開設
2.ネット証券などから株の情報収集をする
株を始めようとしていた人の後押しができたら幸いです。
また、株主優待の始め方を知りたい人は、「株初心者でも簡単! 株主優待生活のおすすめ! 株主優待のもらい方は?」を参考にしてください。
株主優待のもらい方や注意点、少額で買えるおすすめの株主優待、使うべきネット証券について書かれたページに移動できるようにまとめてあります。