あなたは、株主総会とは何かをご存知でしょうか?
株主総会では、会社の基本的な方針や重要な事項を決定します。
条件を満たした株主であれば、この会議に参加することができ、経営者の生の声を聞くことができます。
また、株主総会に参加をすることで、自社製品やその割引券、お菓子、金券などのお土産をもらえることもあります。
このように魅力的な株主総会ですが、株主になればいつでも参加できるわけではありません。株主でいる時期を間違えてしまうと、せっかく株を保有していても株主総会に参加できないことになります。
そこでこのページでは、「株主総会の内容、参加条件、招集通知、時期など」をわかりやすくお伝えします。
目次
株主総会の内容
株主総会には、報告事項と決議事項の2つを実施する企業が多いです。
報告事項:事業や業績ハイライトの報告、事業計画の発表
事業報告とは、当期の売上高や利益などを株主に報告することです。
また、業績ハイライトの報告とは、業績に貢献した内容を取り上げて、株主に伝えることです。
どちらも、業績の振り返りをして、株主に会社経営の成果を説明していると言えます。
一方、事業計画の発表は、未来に視点をおいています。つまり、今後の事業計画や目標などを掲げていて、具体的な行動計画を発表している場合もあります。
決議事項:議案について決議を取る
議案は平均2つほどあり、会社や総会時期によって議案数は異なります。
議案は、決議を取ると言うより、株主にこれで良いかを確認する意味合いが強いと思います。なぜなら、反対する理由が特に見当たらないからです。
通常は、賛成数が過半数を超えると可決されます。また、議決権を行使しなかった場合、すべて「賛成」と見なされます。
このように、余程のことがないかぎり、議案が否決されることはないのです。
一方、業績が悪い場合やモノ言う株主が大株主として入れば、議案に対して反対者が増え、株主総会が荒れることもあります。日本では、「村上ファンド」がモノ言う株主として有名になりました。
よくある議案は、以下の4つです。
①剰余金の処分の件
剰余金の処分に関して、賛否を取ります。
剰余金とは、会社内部にある利益の積立金です。この剰余金は、事業の再投資に使うこともありますが、株主に配当金として一部を還元することもあります。
ここでは、1株あたりの配当金を議案にしていることが多いです。例えば、1株あたり20円の配当金で問題ないかの賛否を取ります。
②取締役選任の件
取締役の任期が終わり、新しい取締役の選任するときに賛否を取ります。
取締役とは、業務執行に関する意思決定を行う人です。つまり、会社の経営陣です。
ここで、取締役は、新しく起用する「新任」もあれば、継続の「再任」もあります。
また、客観的な視点で企業を見ることのできる「社外取締役」を外部から入れている企業も多いです。
③監査役選任の件
監査役の任期が終わり、新しい監査役の選任するときに賛否を取ります。
監査役の役割は、取締役の職務の執行を監査することです。
ここで、監査役は、新しく起用する「新任」もあれば、継続の「再任」もあります。
また、客観的な視点で取締役を見ることのできる「社外監査役」を外部から入れている企業も多いです。
④役員の報酬の件
役員の報酬に関して、賛否を取ります。
ここで、役員の報酬を業績連動型にしている企業も多いです。つまり、会社に利益をもたらし株価を上げることができれば、役員の報酬も高くなります。
一方、会社経営がうまくいかなくて株価を下げてしまう場合、役員の報酬も低くなります。
このように、業績連動型の報酬にすれば、経営陣(役員)と株主の利害を一致させることができるため、報酬の決め方として有効な方法だと言えます。
株主総会の参加条件は?
上の画像にあるように、株の決済期間の短縮に伴い、権利付最終日や権利落ち日が1日後ろ倒しになりました。
株主総会に参加をするためには、会社の株を持っていることが条件です。
具体的には、3月に株式を保有していた株主に対して、6月に株主総会を実施する企業が多いです。しかし、それ以外の月でも、株主総会をする企業はありますので、時期の確認をしましょう。
もう少し言うと、株主総会の参加権を得るためには、企業の株式を特定の時期に一定期間保有する必要があります。
具体的には、権利確定日に株主名簿に名前が載っていなければなりません。
権利確定日とは、株主としての権利(株主優待、配当金、株主総会議決権)が確定する日のことです。間違えやすいのですが、株主としての権利を確定させるためには、権利付最終日に株を保有している必要があります。
権利付最終日は、権利確定日の2営業日前の日付です。つまり、この日までに株式を保有しなければ、株主総会の参加権を獲得できません。
ここで、証券会社が毎月の権利付最終日を教えてくれることが多いので、情報を入手して日にちを確認しましょう。
権利落ち日とは、権利付最終日の翌営業日です。この日に株を買い入れても、株主総会の参加権を得られません。
一方、権利落ち日以降であれば、保有していた株式を売却しても株主総会の参加権は得られます。
つまり、権利付最終日に株を買い、権利落ち日に株を売れば、2日間しか株を持っていなくても株主総会に参加することができるのです。
補足ですが、権利付最終日は年に2回以上ある企業もあります。月によっては、株主総会の参加権利がない場合もありますので、企業の公式サイトで確認をしましょう。
株主としての権利を得たあと、株主総会の具体的な日時と場所は、時期が近づいたら書面で知らせてもらえます。
株主総会の招集通知は、遅くとも総会開催の2週間前には郵送で届く
株主総会の招集通知は、遅くとも総会開催の2週間前には郵送で届きます。
例えば、上記の画像は、ディズニーランドの会社である「オリエンタルランド」の株主総会の招集通知です。
補足ですが、オリエンタルランドは、権利確定日が3月末であり、6月に株主総会を行いました。この招集通知は、総会の3週間前ほどに郵送で頂きました。
株主総会の時期は? 6月に開催される会社が多い!
3月末決算の会社が多いためか、6月に株主総会が開催されることが多いです。しかし、それ以外の時期でも開催されますので、会社ごとに確認をしましょう。
また、株主総会は平日に都内で開催されることも多いですので、会社勤めの方や地方で遠方の方は、参加が難しいかもしれません。
そこで、株主総会に参加できない株主のために、企業は「議決権行使のお願い」をしています。
株主総会に参加ができない場合、どうすれば良いのか?
株主総会に参加できない場合、どうすれば良いのか分からない人もいるかと思います。
実は、株主総会の出席は自由ですので、連絡なしに欠席してしまっても問題ありません。
一方、株主総会に出席できない場合、あらかじめ郵送やインターネットから「議決権行使」をしておくこともできます。
これは、株主総会の議案に対して、あらかじめ「賛成」か「反対」かを意思表示しておくことです。
上の画像のオリエンタルランドでは、以下の2つについて賛成か反対かを選ぶことができました。
・第1号議案:剰余金の処分の件(配当金について)
・第2号議案:取締役10名選任の件
余談ですが、管理人は両議案を賛成としておきました。
株主総会に参加できない場合、議決権行使をしておくべきか?
株主総会に参加できない場合、必ず「議決権行使」をしなければいけないのか悩む人もいるかもしれません。
実は、この「議決権行使」をするかどうかも自由ですので、返事をしなくても良いのです。
もし、議決権を行使しなかった場合、「賛成」と見なされます。つまり、特に反対する理由がなければ、返事をしなくても問題ありません。
正直に言うと、管理人は、議決権行使をしたりしなかったりです。
一方、会社によっては、「議決権行使」をした方が、良い場合もあります。
例えば、上の画像のオリエンタルランドでは、インターネットから議決権行使をしてアンケートにも答えると、「抽選で100名にJCBギフトカードのプレゼント」がありました。
残念ながら管理人は、抽選には外れてしまいました。
このように、議決権行使をしておいた方が良い例もあります。
株主総会の参加権、株主優待を積極的に手に入れよう!
今まで、株主総会についてお伝えしてきました。
管理人は、普通に株を売買するだけでなく、株主総会の参加権を積極的に手に入れるべきだと思います。
加えて、株主総会の参加権を得るときには、株主優待ももらえることが多いのです。
上の画像にあるように、実際に管理人も、3月に「オリエンタルランド」から1デーパスポート(7,400円分)の株主優待も頂いています。
個人的に、株主総会は平日に開催されて遠方で参加が難しいので、このような株主優待を頂ける方が嬉しいです。
株主優待についてもっと知りたい人は、良ければ以下のページを参考にしてください。
「株初心者でも簡単! 株主優待生活のおすすめ! 株主優待のもらい方は?」
株主優待のもらい方や注意点、少額で買えるおすすめの株主優待、使うべきネット証券について書かれたページに移動できるようにまとめてあります。
まとめ
このページでは、「株主総会の内容、参加条件、招集通知、時期など」をわかりやすくお伝えしました。もう一度、おさらいをしますと以下のとおりです。
・株主総会では、業績の報告を行い、議案に対して決議が取られる。
・株主総会に参加するためには、権利付最終日に株主でいる必要がある。
・株主総会の招集通知は、遅くとも総会開催の2週間前には郵送で届く。
・株主総会は、6月に開催される会社が多い。
・株主総会の参加や議決権行使は自由である。
このページを読んで、株主総会について理解が深まったら幸いです。
管理人も、経営者の生の声が聞けるため、一度は株主総会に参加したいと考えています。
もし、株主としての権利(株主優待、配当金、株主総会議決権)を得て、株主総会に参加したいのであれば、まずは証券口座を作って株を買うところから始めてください。
当サイトでは、安くて使いやすいネット証券を載せていますので、良ければ参考にしてください。